私とハンマーダルシマーとの出会いは
2017年3月、かつて息子の卓球のコーチだったいがりまさしさん(写真家でプロミュージシャン)のライブを聴きに行った際に、共演されていた稲岡大介氏のハンマーダルシマーの演奏を聴いたことから始まります。
初めて見る楽器のえも言われぬ美しい音色に一目ぼれというか「一音ぼれ」
優しく心を包み込むような曲から、リズミカルなダンス曲まで幅広い演奏に魅了されました。
また、ピアノとドラムを掛け合わせたうような多彩な演奏ができるのになぜ世間では知られていないのだろう。と疑問に思いました。
音色が忘れられない
ライブ後、何日経っても優しく美しいハンマーダルシマーの音色が忘れられない日が続きました。
日に日に思いは強くなり、ネットで調べて思い切って入門機を購入。
しかし、自宅にハンマーダルシマーが届いたものの、ピアノとは違う音の配列に弾き方が分からず、インテリアのようにただ放置されてしまいました。
2017年10月24日に静岡県で稲岡氏のハンマーダルシマーのワークショップが開催される事を知り初参加。弾き方が理解でき、その後は次第にのめり込んでいきました。
2018年夏、本気でハンマーダルシマーを弾く時間を確保したいと思い、仕事を辞めハンマーダルシマーに専念することにしました。
直後、結婚式の招待状を携えてきた姪に初めてハンマーダルシマーを聴いてもらったところ、結婚式に大好きなディズニーの曲を弾いて欲しいと頼まれました。入門機では出ない音があったため、本気で専念したいので、音域が広い楽器を購入したいと稲岡大介氏に相談。たまたまアメリカから購入したヴィンテージ楽器が数日後に届くタイミングだったので、そこまで本気ならお譲りしましょうとのことで、私の手元に素晴らしい楽器が運命的に来ることとなりました。
2018年8月楽器が私の手元に
譲り受けた楽器に名前を付けました。愛称「リゼッタん」
3/16/15(3オクターブ)
この楽器は初心者の私が持っていてはいけないような本当に素晴らしい楽器でした。弾かずに眠らせては申し訳ないと思い、私は取りつかれたように練習を開始しました。相棒「リゼッタん」に育てられたお陰で今の私があると言っても過言ではありません。
「リゼッタん」は、1988年制作のサムリゼッタ氏(Dustyに製造技術を伝えた方)と、サムリゼッタの弟子のニックブラントンの共作のダルシマーです。
1942年生まれのSam Rizzetta(サムリゼッタ氏)は、ギター修理の仕事をしていた1960年代に倉庫で埃だらけだったハンマーダルシマーをみつけ、弾きやすいように改良し、現在の形を作りDustyStringsに製造技術を伝えました。DustyStringsのDustyはここから由来していると言われています。
彼は、主音のブリッジを区別する目印をつけた事と隣り合う高音ブリッジと低音ブリッジの音程関係を5度とし、クロマティックデザインや、ダンパーペダルなどの改良を加えました。
彼がデザインしたダルシマーはリゼッタ・スタイルといわれ、DustyStringsや、他の会社やビルダーにも採用されています。
まさにサムリゼッタは現在の形のハンマーダルシマーの父ですね。
お二人共ご健在でハンマーダルシマーを制作されています。
Sam Rizzetta ホームページ
https://samrizzetta.com/about/
ニックブラントンホームページ
http://www.blantoninstruments.com/
(日本のプロ奏者の多くはニックブラントンの楽器を愛用されています)
2019年夏世界屈指のハンマーダルシマー奏者
Joshua Messick(ジョシュアメシック)来日
初めてダンパーペタルを多用した演奏をまじかで見て感動!
私は若かりし頃ドラムをやってので、もしかしたらペタルを使った演奏ができるかもと思いました。ちなみにジョシュアメシックが使用している楽器はMaster Works 製で、ダンパーペタルは自転車のブレーキに使われているものと同じ仕組みで動きがスムーズで素晴らしいそうです。
ジョシュアメシックの名古屋のコンサートの後、信じられないことに夕飯へジョシュアメシックのエスコートを頼まれ、友人と会場近くにあった名古屋発祥「世界の山ちゃん」へお連れしましたよ。夢の様な1日でした。
ジョシュアみたいに広い音域の楽器でダンパーペタルを駆使した演奏がしてみたい!
そこで、横浜の工房のダルシクラフトさんにご相談。
アメリカの James Jonesさんが自身が制作されたビンテージ楽器をお値打ちに売りに出されていたので、ダンパー等をカスタマイズしていただき購入しました。この楽器は「リゼッタん」の10年後1998年に制作された楽器です。
愛称「ジョーダん」
3/16/18/8(4オクターブ)
1998年James Jones(ジェイムズジョーンズ)作
サウンドボードはレッドウッド
弦間が7/8インチと通常のダルシマーより狭いのですが、4オクターブの割にコンパクトな大きさになっています。
ダンパーを取り付けたので、消音やミュートをきかせたり多彩な演奏ができます。特に重厚な低音の響きが美しいです。
弦間が狭いので違いで他の楽器と感覚が違うので、演奏会には使用せず現在はレコーディングに使用しています。
ハンマーダルシマーメーカー
James Jonesホームページ
https://www.jamesjonesinstruments.com/
Master Worksホームページ
https://masterworksok.com/
DulciCraft(楽器工房ダルシクラフト)ホームページ
https://dulcicraft.com/
楽器工房ダルシクラフトは普通の楽器屋さんや通販サイトでは手に入りにくい世界の民族弦楽器の輸入販売・修理・調整・製作をされています。 井口さんはDUSTY STRINGS社及びMASTER WORKS社ハンマーダルシマー認定修理技術者です。また、井口さんの奥様はハンマーダルシマー奏者。ご夫婦で「ダルシカフェ」というユニット名で演奏されています。
私が直接お会いし影響を受けた
ハンマーダルシマー奏者の皆様
稲岡大介
https://www.inaokadaisuke.net/
Joshua Messick
https://joshuamessick.com/
小松崎健
https://kenjikomatsuzaki.jimdofree.com/
亀工房
https://kamekobo.wixsite.com/kamekobo2015/media
MiMi
https://mimi-hammereddulcimer.localinfo.jp/
ダルシカフェ 井口典代・NaNa、今井氏